
After Effects ではトラックマットという機能をよく使います。今回はこのトラックマットについて、簡単にお伝えします。
トラックマット (Track Matte) とは?
トラックマットは、別レイヤーのアルファチャンネル・明るさの情報を用いて、特定のレイヤーを切り抜いたり、表示領域を制限したりする機能のことです。トラックマットを使用するには2つのレイヤーが必要になります。
アルファチャンネル (アルファ情報) | 透明度 |
---|---|
明るさ | 輝度 |
トラックマットの種類
アルファマット | 上のレイヤーの形状で下のレイヤーを切り抜くような効果を得たい場合に使用 | ・上のレイヤーの透明な部分で、下のレイヤーも透明にする ・上のレイヤーの不透明な部分で、下のレイヤーを表示する |
アルファ反転マット | 上のレイヤーの形状の外側で下のレイヤーを切り抜くような効果 (特定の領域の外側をぼかしたり、人物のシルエット以外の背景を削除したりする場合に使用) | ・上のレイヤーの透明な部分で、下のレイヤーも表示する ・上のレイヤーの不透明な部分で、下のレイヤーを透明する |
ルミナンスマット | マットレイヤーの明るさ (輝度情報) を使用して、ターゲットレイヤーの表示範囲を制御。 (明るい部分を光らせるグロー効果の作成、光の筋やライトフレアなどを合成する、雲のテクスチャを空に合成、金属のテクスチャをオブジェクトに合成、場合に使用) | ・マットレイヤーの明るい部分で、ターゲットレイヤーを表示する ・マットレイヤーの暗い部分で、ターゲットレイヤーを透明にする |
ルミナンス反転マット | マットレイヤーの暗さ (輝度情報) を使用して、ターゲットレイヤーの表示範囲を制御。 (人物の影を合成したり、オブジェクトの影を作成したりする、夜空の暗い部分に星を合成したり、暗い背景を別の背景に置き換えたりする場合に使用) | ・マットレイヤーの明るい部分で、ターゲットレイヤーを透明にする ・マットレイヤーの暗い部分で、ターゲットレイヤーを表示する |

ここからは各トラックマットについて、画像を交えて簡単にお伝えします。
- アルファマット
- アルファ反転マット
- ルミナンスマット
- ルミナンス反転マット
アルファマット

アルファマットは、上のレイヤーの形状で下のレイヤーを切り抜くような効果を得たいときに使います。たとえば、ロゴの形状で映像を切り抜いたり、テキストの形状で背景画像を切り抜いたりする場合に使用します。
- 上のレイヤーの透明な部分で、下のレイヤーを透明にする
- 上のレイヤーの不透明な部分で、下のレイヤーを表示する

アルファ反転マット

アルファ反転マットは、上のレイヤーの形状の外側で下のレイヤーを切り抜くような効果を得たいときに使います。特定の領域の外側をぼかしたり、人物のシルエット以外の背景を削除したりする場合に使用します。アルファ反転マットを使用したアニメーション例については、以下の別記事をご確認ください。
- 上のレイヤーの透明な部分で、下のレイヤーを表示する
- 上のレイヤーの不透明な部分で、下のレイヤーを透明にする


ルミナンスマット

ルミナンスマットは、マットレイヤーの明るさ (輝度情報) を使用して、ターゲットレイヤーの表示範囲を制御するときに使います。たとえば、明るい部分を光らせるグロー効果の作成、光の筋やライトフレアなどを合成する、雲のテクスチャを空に合成、金属のテクスチャをオブジェクトに合成、場合に使用します。
- マットレイヤーの明るい部分で、ターゲットレイヤーを表示する
- マットレイヤーの暗い部分で、ターゲットレイヤーを透明にする

※ ルミナンスマットを行うために、レイヤーを入れ替えて実施しています。
ルミナンス反転マット

ルミナンス反転マットは、マットレイヤーの暗さ (輝度情報) を使用して、ターゲットレイヤーの表示範囲を制御するときに使います。たとえば、人物の影を合成したり、オブジェクトの影を作成したりする、夜空の暗い部分に星を合成したり、暗い背景を別の背景に置き換えたりする場合に使用します。
- マットレイヤーの明るい部分で、ターゲットレイヤーを透明にする
- マットレイヤーの暗い部分で、ターゲットレイヤーを表示する

※ ルミナンスマットを行うために、レイヤーを入れ替えて実施しています。
まとめ
![]() | トラックマットなし |
![]() | アルファマット 上の文字レイヤーの透明な部分で、下の画像レイヤーを透明にする。 |
![]() | アルファ反転マット 上の文字レイヤーの透明な部分で、下の画像レイヤーを表示する |
![]() | ルミナンスマット 上の画像レイヤーと下の文字レイヤーが重なっている場所で、明るい場所は表示、暗い場所は透明 |
![]() | ルミナンス反転マット 上の画像レイヤーと下の文字レイヤーが重なっている場所で、暗い場所は表示、明るい場所は透明 |
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